渡ってみたい!日本にあるユニークな木造の橋6選
いろいろなテーマで巡るのが楽しみな森と木の旅、モリップ。
今回は、一度は見てみたい、渡ってみたい!ユニークな木造の橋を特集します。
いまや橋といえばコンクリートや鉄が圧倒的に多いですが、今でも現役の木の橋は、どこか懐かしくて絵になりますよね。
時代劇に出てきそうなレトロなものから現代的なものまで、特徴的なものをまとめました。
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この記事の目次
世界一長い木造の歩道橋「蓬莱橋」(静岡県)
ギネスにも認定されている”世界一長い木造歩道橋”が、静岡県島田市にあります!
その名も「蓬莱橋(ほうらいばし)」。
これは明治12年に架けられた木造の橋で、その長さはなんと897.4メートル!
単に長いだけでなく、「厄なし(8974)」という語呂の良さや、「長生き(長い木)」という意味から、縁起がいい橋として、親しまれています。
その昔ながらの姿から、数々の時代物の映画やTVドラマなどのロケ地としても知られ、島田市の観光スポットになっています。
(静岡県HPを参照:http://www.pref.shizuoka.jp/j-no1/m_houraibashi.html)
橋脚はコンクリートですが、シンプルなデザインが美しく懐かしい感じがします。
幅2.4mの歩行者&自転車専用のこの橋を渡るにはお金が必要です(大人100円、子供10円、自転車100円)。
たまには観光しながらのんびりと、歩いて川を渡るのもいいですよね。
ちなみに大井川が増水したときには、木造の部分が流されてしまうこともあるそうです・・・。
アーチが絶景の観光スポット!「錦帯橋」(山口県)
山口県の観光ポスターなどにもよく登場するのが、岩国市にある木造の橋「錦帯橋(きんたいきょう)」。
石造りの橋脚の間を渡る木造のアーチが、迫力があってなんとも美しいですね。
錦帯橋は1673年に岩国藩主の吉川広嘉により架けられたものですが、川幅が約200mあるこの川では、その後、度々橋が流されては改良が重ねられてきました。
1950年の台風で流された後、再建する際に、流れない橋を目指して、橋脚を石造りにしたアーチ形にたどり着いたそうです。
鉄筋コンクリートにする案もありましたが、市民などの強い要望によって、木造の橋として姿をとどめたそうです。
現在の橋は、2001年から2004年にかけての「平成の架替事業」で架け替えられたものです。
(岩国市HPを参照:http://kintaikyo.iwakuni-city.net/summary.html)
長年の改善と保全により守られてきたこの絶景は、一度は訪れてみたい山口県の観光スポットになっています(入場は大人300円、小学生150円)。
桃太郎伝説の地にある木造の橋「猿橋」(山梨県)
桃太郎伝説の残る山梨県大月市にある木造の橋は、その名も「猿橋」。
緑の中に、なんとも不思議な形のこの橋は架かっています。
長さ30.9m、幅3.3m、高さ31mのその姿は、橋脚を全く使わない特殊なもので、鋭くそびえたつ両岸から張り出した四層のはねぎによって支えられています。
猿橋の珍しい構造の起源は定かではないが、西暦600年ごろ、百済からやって来た造園博士の志羅呼(シラコ)がなかなかうまくいかず難航していた橋の建設の最中に、沢山の猿がつながりあって対岸へと渡っていく姿からヒントを得、ついに橋を架けるのに成功したと言われています。
(大月市観光協会HPより引用:http://otsuki-kanko.info/see/4.html)
なるほど、言われてみれば、まるで猿が連なっているようにも見えるユニークな橋ですね。
木造の橋の中でも、特に珍しい形をしているのではないでしょうか。
絶好の写真撮影スポットでしょう。
四季折々の新緑や紅葉、川下りも楽しめるという猿橋は、大月観光とセットでどうぞ。
流れちゃう木造の橋!?「上津屋橋」(京都府)
京都にあるこの木造の橋は、なんと川に流されてしまうとのこと!
「流れ橋(上津屋橋)」は、淀川の支流として京都府南部を流れる一級河川・木津川に架けられた、全長356.5mの日本最長級の木造橋です。梅雨や台風がもたらす豪雨のために水位が上がると、橋板や橋桁が流れ出すという特徴の構造をしています。
流れ橋は昭和28年(1953年)3月の架設以来、通算21回の流出を記録しています。(やわた流れ橋交流プラザHPより引用:http://www.shikisaikan.co.jp/ivent/kouzuyabasinetyou.doc.pdf)
この上津屋橋(こうづやばし)は、橋脚が壊れてしまわないように、あえて上の部分が流れるように作ってあるという木造の軽快な橋。
自然に逆らわない考えが形になった橋ですね。
板は下流に流されてしまわないように、ワイヤーロープでつながれています。
記録によれば2011年~2014年の間もなんと毎年!台風による増水で流されています。
運がよければ(?)流された様子も見られるかも。
時代劇にもよく登場するこの橋に、一味違った京都観光で訪れてみてはいかがでしょうか。
津軽富士を望む、湖に浮かぶヒバの木造の橋「鶴の舞橋」(青森県)
三連太鼓橋としては長さ日本一の木造の橋が、青森県鶴田町にあります。
地元の銘木であり、耐久性のある「青森ヒバ」が使われた、橋脚までも木材でできた珍しい橋です。
鶴の舞橋は平成6年7月8日、岩木山の雄大な山影を湖面に美しく映す津軽富士見湖に、日本一長い三連太鼓橋「鶴の舞橋」として架けられました。全長300メートルもの三連太鼓橋はぬくもりを感じさせるような優しいアーチをしており、鶴と国際交流の里・鶴田町のシンボルとして、多くの人々に愛されています。
(青森県鶴田町観光ウェブマガジン「メデタイ・ツルタ」より引用:http://www.medetai-tsuruta.jp/spot/sightseeing/tsurunomaibridge.html)
この橋は、他の橋とちがって、河川ではなく静かな湖に架かっているところが特徴です。
橋の途中には屋根付きデッキが設けられていて、長い橋を歩きながら、途中で湖を眺めたり休憩するのもよさそうです。
入場は無料、春には隣接する公園でお花見や散策も楽しめるので、鶴田町の市民から親しまれているスポットです。
木ではないけど・・蔓でできたつり橋「祖谷のかずら橋」(徳島県)
徳島県三好市の山奥にある「祖谷(いや)のかずら橋」は、木造の橋ではありませんが、なんと自然の「蔓」で作られた珍しいつり橋です!
平家一族の哀話を秘める、秘境”祖谷”にあるかずら橋。シラクチカズラ(重さ約5トン)で作られたもので、長さ45m・幅2m・水面上14m。 昔は深山渓谷地帯の唯一の交通施設であった。3年毎に架替えが行われる。(国指定重要有形民俗文化財)
(大歩危・祖谷観光NAVI 三好市観光サイトより引用:http://www.miyoshinavi.jp/02miru/detail.php?genr=101&uid=SS000048)
これは平家の落人が、追手から逃げるときに切り落とせるように蔓で橋を作ったとも言われています。
現在はワイヤーロープで補強され、観光客が渡ることができます(入場料は大人550円、小人350円)。
それでも、足元はるか下に川が見え、ゆらゆら揺れるつり橋を渡るのはけっこう怖い・・。
落とし物をしないように、ぜひスリルを味わってみましょう。
このかずら橋は、祖谷では温泉と合せて人気の観光スポットになっています。
ちなみに、さらに山奥へ進んだ東祖谷には、蔓でできたつり橋がなんと2本並んだ「奥祖谷二重かずら橋」があり、よりいっそう秘境感漂うスポットになっています。
まとめ:色々なデザインの木造橋を楽しもう
めずらしくて面白くて、渡って見たくなる木造の橋をご紹介しました。
洪水の多い日本の川に工夫して架けられた橋に先人の知恵を学び、観光スポットや美しい景観になっている木の橋を楽しんでみる、そんな旅はいかがでしょうか。
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