林業や田舎暮らしが知りたくなったら観る映画5選
林業ってどんな仕事?田舎暮らしってどうなんだろう?そう思って本や雑誌を読むのもいいですが、映像でその世界を覗くことができたらいいですよね。
邦画の中には、主人公が林業をしていたり、山村が舞台であり田舎暮らしのシーンが登場する映画もあります。
風景が印象的なもの、リアリティがあるものなど、名作から感じる林業や田舎暮らしは心を動かします。
青春映画やコメディからドキュメンタリーまで、林業や田舎を知りたい人におすすめの映画をご紹介します。
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この記事の目次
ヒット小説原作の青春林業映画「WOOD JOB!神去なあなあ日常」(2014)
大ヒット小説が原作のこの映画。
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」を手掛けた矢口監督により映画化されました。
豪華キャストの演技やストーリーやの面白さは文句なしです!大学受験に失敗、恋にも破れた主人公が、ひょんなことから林業の研修生に。
何もかも初めての林業の仕事に、携帯の電波も届かない田舎での暮らし、淡い恋心、そしてクライマックスは村の奇祭へ・・・!?
目に触れない林業の世界が、ここまで面白く斬新に描かれたことはかつてないでしょう。
ロケ地は原作のモデルとなった三重県津市美杉町(旧美杉村)を中心にし、実際に林業に従事する関係者が監修、技術指導やスタントを行っているため、林業シーンの映像も本格的です。
林業や自然の魅力だけでなく、山仕事の危険性や田舎ならではの悩みも含めたリアリティも描かれていて、林業関係者からもたいへん高評価でした。
山の神や神隠しなどいまも山村にあるファンタジーの世界も織り込まれています。
この映画が公開された2014年は、林業界や木材業界は大盛り上がりの、まさにウッジョブ!イヤーとなっていたのです。
爆笑と感動に加えて、林業や田舎のリアルも知れる、日本の林業史に残る!?この一本をぜひご覧ください。
■原作情報はこちら:神去なあなあ日常(徳間書店):http://kamusari.jp
お腹がすいてくる!やさしい映像美「リトル・フォレスト」(2014)
山村の暮らしを描いた「リトル・フォレスト」は、同名原作の少女マンガを映像化した映画作品。
岩手県奥州市で一年かけてオールロケで撮影された本作は「夏・秋」と「冬・春」の二部作で、移り変わる季節の中、都会を離れ田舎で自給自足の暮らしを紡いでいく一人の女性の姿が描かれています。
ちなみにタイトルの通り、「小森」という架空の集落が舞台となっています。
「食」のシーンが多く、物語も季節の素材を料理するレシピを中心に章立てされています。
料理や食事のシーンを見ているとお腹がすいてきて、田舎の豊かさをじわ~と感じられる映像美です。
一口に田舎暮らしといっても地域性がありますが、舞台となる東北地方ならではのエピソードも満載です。
くるみ、山菜などの食材やばっけ味噌(ばっけ=ふきのとうの方言)といった東北の食文化、冬に備える薪割りのシーンなどなど。
ゆっくりと流れる時間や主人公の心の揺れ動きを丁寧に描きながらも、時には空想を織り交ぜた映像に引き込まれます。
林業に関わるシーンもすこし登場します。
都会でも取り入れられる、暮らしの知恵も見つかるかも?
穏やかな気持ちでじっくり見たい作品です。
高校生と森の名人のドキュメンタリー映画「森聞き」(2010)
2002年から毎年行われている「森の聞き書き甲子園」は、高校生が日本各地の「森の名人」を訪ね、生き方や知恵を学び聞き書きする活動です。
映画「森聞き」は、実際の聞き書きの現場に密着したノンフィクションのドキュメンタリーです。
映画に登場するのは、吉野杉の種とり職人、焼き畑を受け継”おばば”、北海道の伝説の木こり、茅葺名人、という林業や山村の生業に関わる4人の名人と、将来に悩む4人の高校生たち。
名人と高校生たちの交流から生まれる言葉の一つ一つが教えてくれたのは、日本の森で受け継がれてきた深い知恵だけにとどまらない、はたらくことや生きることの意味、なのかもしれません。
交流を通して成長していく高校生の気持ちと同化し見ていると、胸がいっぱいになり不思議と涙がこぼれてくる作品です。
この映画のもう一つのよさは、音楽がいいこと!作中に流れるサウンドトラックは、フィンランドのアカペラアーティスト「ラヤトン」のアルバム「無限の森へ」の音楽たちです。
森の国フィンランドの音楽と、日本の森の風景が不思議なくらいマッチして、感動を演出します。
この映画はDVD化されていませんが、各地で行われている上映会で見ることができます。
公開から年月が経っても色あせないこの映画を、あなたの地域にも招いて大切な人とご覧になってはいかがでしょうか。
■「森聞き」公式サイト:http://www.asia-documentary.com/morikiki
木こりが主人公のほっこりコメディ林業映画「キツツキと雨」(2011)
田舎で林業をするしがない「木こり」が主人公のこの映画。
どう見ても格好良すぎる木こりなのに、「こんなおじさん、リアルにいるかも!」と思わせるのはさすが俳優さんの演技力です。
木こりの主人公と、頼りないゾンビ映画監督とのひょんな出会いから、村中を巻き込んだドタバタに発展していきます。
普段は森林組合に勤める地味な木こりが、自然と向き合う者ならではの天気を読む力や、地域でのリーダーシップを発揮して村人を動員し、予想外に大活躍。
木こりに助けられ叱咤激励された監督は、少しずつ成長していき・・・。
くすっと笑えるシーンが随所にちりばめられ、じわじわ来るコメディ映画。
そんな主役二人の奇妙な出会いが、心温まる交流を生むヒューマンドラマにもなっています。
ロケは岐阜県の恵那市や中津川市、瑞浪市、白川町、東白川町と長野県南木曽町で行われ、作中で村人が話す言葉もこの地域の方言に近くなっています。
岐阜出身の方はなつかしい気持ちで見られそうですね。
もちろん、著名な俳優さんが木を伐ったり枝打ちをするというレアな林業シーンにもご注目ください。
■「キツツキと雨」ロケ地めぐりはこちら((社)岐阜県観光連盟公式サイト):http://www.kankou-gifu.jp/feature/cinema
何度も映画化された林業の里「古都」(1963-2016)
最後にご紹介するのは、ノーベル賞作家・川端康成による名作小説が映画化された「古都」です。
これほど多く映像化されてきた文学作品は、類を見ないでしょう。
舞台となるのは、京都西陣と北山杉の里。
2つの地で生きる行き別れた双子の人生が交錯する様子を描きながら、古都・京都の情趣が余すところなく映し出される物語です。
名シーンといえば、北山杉の林の中で双子が突然の夕立に遭う場面。
背景に映るのは、舞台となった北山杉の美林や中川町の景色。
北山林業を支えてきた働く女性たちの姿や、主人公の着ている伝統的な衣装にも注目したいところ。
「古都」が初めて映画化されたのは1963年。
その後、たびたび映画化やTVドラマ化され、歴代の人気女優たちが演じてきました。
あなたが好きなのは誰が演じる「古都」でしょうか?
50年以上を経てリバイバルされた2016年の最新作は、”原作のその後”の現代が描かれた完全オリジナルエピソード。
西陣の織物、北山林業ともに絶頂期を過ぎ、未来が見えない現代で、同じく将来を見通せない二人の主人公を描きながら、やはり背景には美しい古都の風景が。
2つの古都、京都とパリが舞台です。
まとめ:あなたのお気に入りの林業映画はどれ!?
まとめてみると、2010年以降、林業や田舎が舞台の映画は続々と公開されているように思えます。
それだけ関心が高まっているテーマなのかもしれませんね。
気になる映画を見たら、ロケ地めぐりにでかけて林業の世界を体感するのもいかがでしょうか。