週末は三浦半島で、小網代の森ハイキングとマグロの旅
都心から近く、多くの人がマグロを食べに訪れる観光地、神奈川県の三浦半島。
ここには、貴重な自然が残された「小網代の森」という不思議な森があるのをご存知ですか?
1時間足らずでさまざまな風景が楽しめる、この森のハイキングの見所をご紹介します。
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この記事の目次
三浦半島に残された奇跡の森「小網代の森」とは?
小網代(こあじろ)の森とは、三浦半島の先端にある約70haの森です。
ここは、1つの川の集水域、つまり森から干潟、海に至るまで丸ごと自然が残されている、関東地方で唯一の自然環境と言われています。
そのため、上流から下流まで移り変わっていく森と川の風景が、わずか1時間ほどのハイキングですべて見られる貴重な環境になっています。
上流から河口の干潟までは約1.3kmで、約2,000種の生き物が生息しています。
このような豊かな自然が残されたおかげで、干潟はアカテガニをはじめとするカニの生息地となっていて、夏にはカニたちの求愛ダンスが見られることで知られています。
積極的な保護活動と整備のおかげで、初夏にはホタルも飛び交う、美しい川が流れています。
ここは元々はゴルフ場開発の予定地でしたが、自然保護トラストによる買い入れ、国による近郊緑地保全地区の指定などが進められ、平成26年から無料で一般公開されています。
■参考:公益財団法人かながわトラストみどり財団HP http://ktm.or.jp/contents/national/trust/basyo/koajiro.html
知る人ぞ知るこの森は、三浦半島にレジャーに出かけたときには、ぜひ訪れたいスポットなのです。
次からは、小網代の森ハイキングの見所をお伝えしていきます。
小網代の森ハイキングは雑木林からスタート
小網代の森へのアクセスは、京浜急行「三崎口」駅を下車。
そこからバスに5分ほど乗って「引橋」で下車し、徒歩約5分で到着します。
※駐車場はありません。
入り口は住宅街の中にひっそりとあって、少しわかりにくいので、案内表示や地図を頼りに向かいましょう。
森の入り口からはきれいな木道が整備されていて、とても歩きやすくハイキングにピッタリです。
ハイキングは森の上流から始まり、木道は下り坂になっています。
そこは、コナラなど里山によく生える落葉樹が生い茂っていて、さわやかで気持ちがよい雑木林になっています。
まるで緑のトンネルをくぐっていくような感覚です。
また、小さな沢が木道に沿って流れていて、そこには大きなシダやフキなどが群生しており、どことなく異国のジャングルのような光景でもあります。
一歩足を踏み入れると、都会とは別世界が広がっている小網代の森。
森の空気を味わいながら、歩みを進めていきます。
渓畔林から湿原~テラスが気持ちいい!~
小網代の森の木道をしばらく下ると、湿度などの環境の変化により、だんだんと森の様子が変わっていきます。
雑木林の次に現れるのは、川の氾濫する場所によく生えているハンノキやエノキなどが主な「渓畔林(けいはんりん)」です。
さきほどよりも平坦な地面に、木がまばらに生えていて、森の雰囲気が違います。
さらに歩いていくと、あたりがぱっと明るくなり、木があまり生えていない開けた湿地帯になってきてきます。
ここまでくると、水辺にはシダに代わって、ヨシがざわざわと生い茂るようになります。
ヨシと一緒に生えているのは、ススキによく似たオギという植物。
秋になるとふわふわの白い穂をあたり一面にたなびかせます。
どこまでも続きそうなヨシとオギの湿原をしばらく歩くと遠くに海が見えてきますが、海に行く前に休憩するなら「えのきテラス」がおすすめです。
湿原の中にある、大きなエノキの木の下にある広々としたデッキスペース。
ここでお弁当を広げる人、おやつを食べながら休憩する人など、ハイキングの途中の憩いの場になっています。
気持ちの良い風が吹き抜けていきます。
ハイキングのクライマックスは、アカテガニに出会える海!
一息ついたら、いよいよ小網代の森ハイキングのクライマックス。
流れ下ってきた川がたどり着く場所、そう、海に出るんです。
遠くにリゾートホテルの建物を眺めるこの海は、護岸工事などで全国的に希少になってしまった干潟が残されていて、ここがカニの楽園になっているのです。
干潟には、カニ以外にもヤドカリなど小さな生き物を見ることができますので、森と海を一挙に楽しめる珍しいハイキングの締めくくりに、ゆったりと観察してみましょう。
この海の主役といえば、小網代の森のシンボルにもなっている「アカテガニ」。
カニの多くは海辺や川辺にいますが、アカテガニは珍しく森の中で生活します。そして、夏の大潮の晩。母ガニはいっせいに海岸に押し寄せ、お腹に抱えた幼生(ゾエア)を海に放ちます。これを産卵ではなく、放仔(ほうし)といいます。幼生は1ヶ月ほど海で育ち、子ガニとなって陸に上がって生活を始めます。アカテガニは小網代の森のように森と海が一体となった自然環境が必要なのです。
(公益財団法人かながわトラストみどり財団HPより引用:http://ktm.or.jp/contents/national/trust/basyo/koajiro.html)
アカテガニは、豊かな森があるからこそ出会える海のキャラクターだったんですね。
小網代の森ハイキングの所要時間や注意点
引橋の入り口からえのきテラスまでは、ゆっくり歩いても1時間ほど。
この森をハイキングするだけで、森から干潟、海に至るまで、日本の自然の縮図のようなさまざまな環境が見られるのです。
首都圏からも近く、初心者でも週末日帰りで気軽に楽しめるこの森に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
観察会などのイベントに参加するのもよいでしょう。
小網代の森からの帰りは、海沿いを15分ほど歩いてバス停「シーボニア入口」から、三崎口駅に戻ることができます。
小網代の森は、入場は無料です。
開場時間は、
4月から9月まで・・・7時から18時まで
10月から3月まで・・・7時から17時まで
です。
なお、小網代の森の貴重な自然環境は、財団やボランティアなどの手で守られています。
訪れるときは次のことに注意しましょう。
そしてこの森に感動したのなら、トラストに寄付をすることで、自然保護に参画してはいかがでしょうか。
<注意点>
・自然環境を守るため、動植物を採取したり、傷つけたりしない。散策路以外には立ち入らない。
・動植物を持込まない。ペットを連れて入場しない。
・ゴミは必ず持ち帰る。
・喫煙やたき火など、火気の使用はしない。キャンプ場ではありません!
・歩きやすい森とはいえ、危険な動植物対策のため、長袖、長ズボンを着用する。(虫よけはしっかりと)
・住宅街に近いこの森。他の利用者や近隣住民に迷惑をかけず、マナーを守って。
三浦半島名物、マグロもセットで堪能できます
小網代の森のもう一つの魅力は、ハイキングと合わせて楽しめる観光スポットが近くにたくさんあることでしょう。
三浦半島といえば、なんといっても新鮮なマグロが有名です!
バスで三浦港まで行けば、美味しいマグロを食べさせてくれるお寿司屋さんや料理屋さん、また新鮮な魚介類をお土産に買って帰れる市場やお店がたくさんあります。
中にはマグロを使ったスイーツなど、珍しい食べ歩きができる場所も。
漁師町ならではの風景を楽しめる、町中の散策もおすすめです。
もし時間があるなら、船に乗って城ケ島まで行き、釣り堀や、磯のダイナミックな絶景を楽しむのもいいでしょう。
その他、温泉やダイビング、ヨットなどを楽しめる拠点もあります。
ちなみに、三浦半島までは電車やバスの切符、マグロランチ、そして温泉などのアクティビティがセットになった、お得な切符も発売されていますので、チェックしてみて下さいね。
まとめ:森も海も楽しめる、週末モリップへGO!
週末ハイキングをしたいなら、首都圏で気軽に森を楽しめる、小網代の森と三浦半島へでかけましょう。
森も海もセットで満喫できる、贅沢なモリップスポットです。
自然豊かな三浦半島で、心もお腹も満たされること間違いなしです!
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