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無垢材と新建材の違いは?フローリングで比較してみました

私たちが毎日生活する床の上。日本の場合は、家の中では靴を脱いで生活することが多いので、素足で直接床に触れることも多いですよね。

毎日触れるものだから、フローリングの素材には見た目や感触など、できるだけこだわりたいものです。

木のフローリングとしては「無垢材」や「新建材」という言葉を耳にするけど、違いがよくわからない、メリットやデメリットは?という方に、基本的な違いをまとめて比べてみました。

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「無垢材」と「新建材」って何?

まずは定義のお話から。

木のフローリングで一般的に言われる「無垢材」や「新建材」は、実は慣用的に使われているものです。

JAS規格の区分によると、無垢材は「単層フローリング」、新建材は主に「複合フローリング」のことを指していると考えてよいでしょう。

JAS規格で「単層フローリング」の定義とは“ひき板を基材とし、厚さ方向の構成層が1のフローリングをいう。”

ここでは、木の一枚板でできているフローリングをイメージするといいでしょう。

いっぽう、「複合フローリング」とは“単層フローリング以外のフローリングであって、根太張用又は直張用として使用されるものをいう。”とされています。

代表的なものとしては、合板を重ねて接着剤で貼り合わせた基材の表面に、突き板(木材を薄く削ったシート状のもの)や木目模様をプリントしたビニルシートなどを貼ったものがあります。

本来「新建材」とは、古来使われてきた木や石などの自然素材に対して、ビニールやプラスチックなどを使った工業製品の建材全般のことを呼ぶようですが、フローリングに関しては、複合フローリングがその代表になっている、と言ってよさそうです。

それでは、無垢材と新建材の違いについて比べてみましょう。

無垢材のメリット:あたたかみと調湿効果

ここでまず、「無垢材」の特徴とメリットをご紹介します。

無垢材は1つの木から挽いた板であり、100%自然の木でできています。

この木材は、ミクロな繊維が集まってできていて、その繊維の一本一本は、木が生きているときに水や養分を吸い上げるための空洞が空いたストローのようになっています。

そのため、無垢材は木材の中の小さな空洞が空気を含むことで断熱効果が発揮され、冬にはあたたかく感じ、夏場に陽が当たっても金属のように熱くならないのが特徴です。

また、木の細胞が衝撃を吸収するので、足で踏んだ時に柔らかさを感じるのも無垢材の特徴です。

特にスギなどのやわらかい木材であれば、ほどよいクッション性があります。

さらに、無垢材の表面を塗装せずに仕上げるか、塗膜を張らない塗料を塗れば、木の表面の空洞が水分を吸ったり吐いたりする、調湿効果が発揮されます(無垢材でもウレタン塗装などをしてしまえば、調湿効果は失われます)。

無垢材の部屋が快適といわれるのは、この調湿効果のおかげかもしれませんね。

一方で「新建材」は、木を薄くスライスした合板を接着剤で貼り合わせていますので、すこし硬い感じがあり、断熱効果も無垢材に比べて失われています。

また、新建材の表面はビニルシートが貼られたりウレタンなどの空気を通さない塗装がされていることが多いため、無垢材に比べると冷たい感じがして、調湿効果も望めません。

あたたかみや調質効果の点では、無垢材にメリットが多いです。

無垢材のメリット:体にやさしい天然素材

「無垢材」は、木を製材して板にしたままの素材なので、100%自然素材でできています。

接着剤などを含まないので、シックハウス症候群など化学物質による健康被害の心配がありません。

近年では、「新建材」に使う化学物質に対して厳しい規制も設けられていますが、それでも心配という方には、自然素材である無垢材が安心でしょう。

また、将来的に廃棄する時のことも考えてみましょう。

解体された家に使われていた木材は、古材としてリユースされるか、チップ化して木質ボードなどにリサイクルされるか、どちらもできない場合は焼却処分(熱利用)されます。

新建材は、使われている接着剤や塗料などの種類によってはリサイクルができないこともあり、燃やすしかない場合もあります。

また、燃やす際に有毒ガスが出ないかなど、環境負荷の心配もつきものです。

その点、無垢材は木材100%なので燃やす際にも安心です。

よく、大工さんの工場や木工所で出る無垢材の端材がストーブの燃料として使われていたりしますよね。

今の時代、こういった人の健康や環境に与える影響も考えてフローリングを選びたいですね。

体や環境へのやさしさの点でも、無垢材がよさそうです。

無垢材のメリット:経年美化し、修復もしやすい

(写真:左側は10年経って味が出た無垢材フローリング(桧)、右側は家具の下にあったため張った当時の色で残った部分)

年数が経ったときの違いはどうでしょうか。

「無垢材」は、木が本来含んでいる樹脂成分などもしっかり含まれているため、木の成分が時間をかけて表面ににじみ出てくることがあります。

特にアカマツやカラマツなどは油分が多いので、長年無垢材のフローリングを使っていると、その油分がワックスの代わりになり、艶が出て美しい飴色になっていくこともあります。

このような変化を、時間が経つほど美しくなるという意味で「経年美化」と呼びます。

しかし、自然素材の無垢材は変色したり傷がつきやすいです。

日光が当たる部分のフローリングが日焼けをしたり、人の足や家具でこすれた部分は濃い色になっていきます。

さらに、スギなどの柔らかい無垢材は、長年使うと表面が削られて凹凸ができ、浮造り(うづくり)と呼ばれる木目が浮き立った足触りになっていきます。

しかし、そのような変化も「味」として楽しむという考え方があり、無垢材は、年月を経るほど趣が出ると評価されています。

一方で「新建材」は、フローリングを張った瞬間が一番美しく、時間が経つほどに劣化するとされています。

それは、新建材の床に傷がつくと表面に貼ったシートが削られ、基材の合板が露出してしまうことがあり、傷が目立ってしまうからです。

これを修復するには、傷の部分に色を塗ったりパテで埋める必要があります。

ちなみに無垢材は、たとえ表面に傷が付いても芯まで同じ木でできているので傷は目立ちにくく、軽い凹みであれば濡れタオルの上からアイロンをかけると細胞がふくらんで元に戻ることもあります。

浅い傷ならサンドペーパーで削れば目立たなくなります。

また、無垢材は表面を削るか苛性ソーダなどで汚れを落とせば当初の色に戻り、生まれ変わったようになります。

このように、無垢材は経年美化と修復のしやすさで、新建材に比べてずっと美しく使うことができそうです。

新建材のメリット:狂いにくく施工しやすい

それでは、「新建材」のメリットもご紹介していきます。

新建材とは、自然素材のデメリットを克服するために工業的に生み出される製品です。

自然素材である木材は、木の一本ごとに違うクセを持っていて、十分に乾燥や養生をしなければ、反り・ねじれ・曲りなどが起こってしまいます。

その弱点を克服したのが新建材です。

新建材の複合フローリングは、木を薄くスライスして貼り合わせることで木のクセを打ち消し、収縮の少ない安定した品質を実現できます。

そのため、大工さんの施工の手間や施工後のトラブルを避けることができます。

一方、自然素材である「無垢材」は品質のばらつきがあるため、フローリングを張るには大工さんが木のクセを見ながら微調整をする必要があり、経験や工夫が必要になってきます。

また、十分に注意して施工しても、高温や過度な乾燥などにより無垢材フローリングは(製品により程度の差はありますが)収縮するので、季節や場所によっては板の間に隙間が空いたり浮き上がったりすることがあります。

近年では無垢材フローリングも高周波乾燥などの技術によって、狂いをかなり少なくすることも実現できていますが、メーカーによって製造方法や品質基準が違うので、フローリングを選ぶ時は注意してチェックしましょう。

または、無垢材フローリングの狂いは生活に支障がない範囲で許してあげる、という付き合い方もありますね。

狂いにくく誰にとっても扱いやすいのは、新建材の方だといえそうです。

新建材のメリット:見た目が揃いやすい

「新建材」である複合フローリングの多くは、合板を重ねた基材の表面に、突板や木目調のプリントをしたビニルシートを貼って仕上げられます。

そのため、たとえ基材の見た目がよくなくても、表面シートでカバーすることができます。

また、プリントなら同じパターンを再現することができるため、見た目を揃えることもできます。

中には、高級木材の木目を真似るなど、人工的に自由に模様を作り出したものもあります。

デザインの再現性を重視する方には新建材がうれしい材料です。

また、最近では新建材の表面にまるで本物の木のような凹凸を付けたシートも開発されていて、見ただけでは無垢材との区別がつかない商品も登場しています。

一方、「無垢材」は自然素材なので、節や色味の違い、木目(年輪)の幅や模様などが木によってばらばらで、しっかり素材の選別をしないと、デザインがコントロールできません。

また、節の数などのグレードを理解して選ばないと、「仕上がりが思っていたのと違う!」なんてことも起こりえます。

無垢材の見た目は、自然素材ならではのゆらぎや個性だとも考えられますが、意匠性にこだわりのある人は、自分で現物を確認したり、信頼できるフローリングメーカーや工務店を選ぶ必要があります。

見た目に統一感を出したいときには、新建材が便利です。

もっと詳しく:無垢、ユニ、集成材、複合(合板)の比較

(図:フローリングを張った床を上から見たイメージ)

ここまでは、「無垢材」と「新建材」の主な違いを比較してきました。

ここで、さらに詳しくフローリングの種類を見てみると、実は無垢材と新建材の中間のような「ユニフローリング」「集成材フローリング」がありますので、最後にご紹介します。

「ユニフローリング」とは、縦方向に何枚かの無垢板を接着剤で継ぎ合わせて一枚のフローリングに仕上げる、ユニット状になったもののことです。

無垢材に比べて、一枚の板の長さが短くなり、継ぎ目が多くなります。

「集成材フローリング」とは、細かい棒状の角材を長さ方向と幅方向にも接着剤で張り合わせたものです。

さらにパーツが細かく多くなるので、見た目はモザイク状になります。

「ユニ」も「集成材」も新建材ですが、JASの定義上は単層フローリングに含まれます。

接着剤を含むので、それぞれの性質は無垢材(一枚板)と複合フローリングの間くらいになると考えてよさそうです。

言葉の定義があいまいな場合があり、ユニや集成材を無垢材と呼ぶ人や新建材と言う人もいるので、フローリングを選ぶときには、よく確認しましょう。

まとめ:あなたに合ったフローリングを選んで

無垢材フローリングと新建材フローリングの基本的な違いを比較しました。

それぞれにメリットやデメリットがありますが、弱点を克服する新商品もどんどん開発されています。

無垢材と新建材の違いを家づくりのヒントに、あなたの好みや求める性能に合わせて、ベストなフローリングを選んでくださいね。

この記事の編集者

モリップ編集部 MORiP!

モリップ編集部 MORiP!

MORiP!を運営する編集部のメンバーたちが、選りすぐりの情報をお届けします。あちこちに散らばる森や木についての基礎知識をわかりやすくまとめることを目指しています。編集部みんなで実際に行ってきた森旅もご紹介しています。

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