旅する森と、木の暮らし。

旅する森と、木の暮らし。│MORiP!

森に行くときに気を付けたい、危険な生物たち

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2017.10.26

ハイキングや散策に、森に出かけるのは気持ちがいいもの。

最近では森林ボランティアなどで、森の中で作業をする人も増えていることでしょう。

しかし、森という自然の中には、危険な生物も潜んでいます。

クマに襲われたというニュースも目にすることがあります。

クマ以外にも、森に行くときに気を付けておきたい、危険な生物の種類や被害、対策のヒントをまとめました。

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イエダニとは違う危険な生物!「マダニ」

ダニと聞くと、家の中のカーペットなどに付いているイエダニをイメージする方も多いと思います。
アレルギーの原因となったりして、嫌われ者の一つですよね。

しかし、森の中にはもっと強烈なダニがいるのをご存知でしょうか。

体の大きさは数mmと目に見えるほど大きいマダニです。

マダニは自然の中に生息していて、普段は野生動物にくっついて、その血を吸って栄養にしている昆虫です。
一見するとごく小さな虫ですが、あなどってはいけません。

このマダニは、森の中に入ると人間にも付いてしまうことがあり、吸血します。

吸血されてもかゆみや痛みがない場合は気が付かないことが多く、しかも体が平べったく褐色であり、小さいものだとホクロのようにも見えて、見落としがちです。

皮膚にめりこむように食らいついて、石鹸で体を洗うだけでは取れません。

吸血を続けると、ダニの体は真ん丸に膨れ上がって大きくなり、最終的には離れていきますが、次第にかゆみや痛みを引き起こすこともあり、また危険な感染症を媒介することもあり、注意が必要な生物です。

マダニは、森の中で手や足などの肌の露出した所から這い上がってきて、太ももやお尻、二の腕などの体の柔らかい部分に付着しやすいとも言われます。

まずは、森の中に入る時は長袖長ズボンを着用し、できればマダニが付きにくいツルツルした素材にすること。

足元や袖口に虫よけスプレーをしておくこと。

また、森から帰るときは服にダニが付いていないか確認し、帰宅したらなるべくすぐにお風呂に入って、体にマダニが付いていないかよくチェックしましょう。

このマダニが付いた服は、洗濯しても取れない(死なない)ことが多いので、同居する家族に移してしまう前によく取り除くことが必要です。

マダニの息の根を止めるには、石などで潰すか、熱湯や殺虫剤をかけると有効とも言われます。

強力なあごで噛みついているマダニを無理にはがすと皮膚の中に歯が残ってしまい、炎症を起こすこともありますので、もし体にマダニが付着してしまった場合は、皮膚科などの医療機関を受診して適切に処置して取り除いてもらうのがよいでしょう。

雨の後や動物が多い森で「ヤマビル」に注意!

こちらも、街中でも見かけるヒルとは違う強力な生物。

それがヤマビルです。

田んぼなどで見かける大人しいヒルとは違って、人間にも襲い掛かり吸血するヒルです。

自然界では、野生動物の血を吸って生きていますが、近年はシカなど野生動物の増加に伴って、ヤマビルを見かけることも多くなりました。

特に雨が降った後や、湿気の多い場所、シカの生息数が多い場所などは要注意です。
よく見ると水たまりなどにヤマビルがうごめいていることもありますので、近づかないようにしましょう。

湿度の高い時などは、樹上にまで登って通りかかる動物を狙っている、とても活動的なヒルです。

長袖長ズボンで森に入っても、ちょっとしたスキマから入り込んで吸血します。

たとえ足元をガードしていても、服の上を這い上がって袖口や襟元から侵入することもあります。

吸血されても痛みやかゆみがあまりないので、気が付かない場合もありますが、何か違和感があったら、こまめにチェックしましょう。

吸血されていた場合は、無理に勢いよくはがすと皮膚を傷付けることもあるので、注意深く取り除きましょう。
ライターの火であぶる、塩をかけるなどすると効果的という声もあります。

ヤマビルは生命力が強く、踏んでもつぶれないことも多いので、息の根を止めるには刃物で切ったり、石などでつぶしてしまうしかありません。

ヤマビルに気が付かずくっついたままにしておくと、ヤマビルは細長い体が真ん丸なボールのように膨らむまで、吸血を辞めません。

ヤマビルに吸血されてしまった時は、痛みやかゆみはあまりありませんが、ヤマビルが分泌するヒルジンという物質が血液の凝固を妨げるので、しばらく流血が止らない場合があります。

林業をしている人には、山から帰って来たら気が付いたら靴下が血だらけだった、という経験も少なくありません。

もはや慣れてしまって、あまり気にしていない人も多いようですが・・。

ヒル被害では命の危険はないようですが、決して気持ちがいいものではありませんね。

活動期は特に危険な、森の中の「ハチ」

都会でもお馴染みの危険生物ではありますが、森の中のハチにも注意が必要です。

特に注意したいのは、強い毒を持つスズメバチの仲間です。

ハチの仲間は、夏から秋にかけて活発になるので特に気を付けたいところです。

ハチに刺されると強い痛みや炎症が起こるだけでなく、過去にハチに刺された経験のある人やアレルギー体質の人は、アナフィラキシーショックを起こすことがあり、呼吸困難や最悪の場合死に至るおそれもあるので、非常に危険です。

対策としては、服装としてはまず長袖長ズボン、帽子などで肌の露出を防ぐとともに、ハチに攻撃されやすいとされる黒っぽい服装を避けること。

また、ハチを刺激するような香りの香水や化粧品などの使用も避けた方が無難です。

そして、周囲を注意深く観察し、ハチの巣やハチがいる場所に近付かないことが重要です。

中には、地面の中に巣を作るジバチもいますので、ハチの巣を踏み抜いてしまったら大変です。

特定の場所にハチが集まっていないか観察し、足元が見えない藪の中などにはむやみに近づかない方がよいでしょう。

どうしても遭遇してしまった場合に備えて携帯しておきたいものとして、ハチを撃退する殺虫スプレーもあります。

そして、刺されてしまった場合の応急処置としては、ポイズンリムーバーという毒を吸い出す器具があります。

器具の利用により、口で直接吸い出すリスクを避けましょう。

また、森に入る仕事をする方やアレルギーを持つ方は、アナフィラキシー補助治療薬としてアドレナリン自己注射薬などを持ち歩いていることも多く、万が一刺された場合には、太ももなどに自分で注射します。

必要と思う方は医師の処方を受けましょう。

ハチに刺されてしまったら、このような応急処置をした上で、できるだけ早く病院で手当てを受けましょう。

刺されると強い痛み!「ブヨ」や「アブ」も危険な生物

ハチのように毒を持っている訳ではないものの、刺されるとかなり痛いのが、ブヨ(ブト)やアブの仲間です。

これは森の中に限らず、夏の田畑での草刈シーズンなどもやっかいな虫たちです。

ブヨは数mmの黒っぽい虫で、アブは体長数cmにもなり黒色や黄色が特徴です。

森の中で作業に夢中になっていて、突然の強烈な痛みに「痛っ!」と思ったら時すでに遅し。

ブヨやアブは露出した肌をめがけて速いスピードでとびかかり、皮膚を切って流れる血を吸います。
ブヨの場合は毒を注入してきます。

吸血した跡には血が滲み、激しい痛みやかゆみに襲われ、腫れあがります。

なぜか顔や目の周りを狙われることも多く、目の上を噛まれた時には、まるでお岩さんのように顔が腫れあがってしまうことも・・。

噛まれてしまったらブヨの場合は毒抜きをし、かゆみ止めなどの薬を塗りましょう。

痛みやかゆみは数日から数週間にわたり続くので、絶対に被害に遭いたくない危険な生物のひとつです。

人の体温や呼気に加えて、車や草刈り機のエンジンの熱などにも反応して集まってきます。

ブンブンと羽音を立てながらまとわりつくように飛び回っていますので、存在には気が付きやすいのですが、気を付けていても一瞬の隙に襲われてしまいます。

長袖長ズボンや帽子の着用はもちろんのこと、虫よけスプレーや森林香などの強力な防虫線香を焚いて追い払うなど、しっかり対策をして森に入りたいものです。

近づかないこと!危険生物「毒ヘビ」

田んぼや草むらでも出くわすことがありますが、毒ヘビにはやはり要注意です。

日本国内ではマムシ、ヤマカガシ、沖縄ではハブなどが知られています。

すべてのヘビに毒がある訳ではなく、昔から日本では神様の使いとされたり、ネズミを退治してくれたりして、ありがたがられる生物でもあるヘビですが、毒ヘビには近づきたくないものです。

毒ヘビの見分け方としては、頭が三角形になっている点や、独特の模様などがありますが、素人には分かりにくいものです。

見分けられない場合は、森の中でヘビに出会ったら、触れずにそっとしておくのが一番です。

毒ヘビは、吸血する虫などと違って、自分の身を守るために毒牙を向くので、遭遇しないこと、刺激しないことが一番です。

それでも出くわしてしまうパターンとしては、見通しの悪い藪の中にいたとか、地面に腰を下ろして手を突いたらそこにいたとか、木の幹や枝に手を掛けたらヘビを掴んでしまった、などがあります。

出会ってしまったらお互いに不幸。

森の中でアクションする時には常に周囲に目を配って、危険がないか確認してから動くのがよいでしょう。

もし、毒ヘビに噛まれてしまった時には、ポイズンリムーバーなどで毒を抜き、体の中に入った毒が回らないように布や包帯で患部より心臓に近い部分を圧迫し、安静にしてすぐに病院へ。

毒を消すために血清を打つ必要があります。

処置が遅れると最悪の場合、命を落とすこともあります。

万が一被害に遭った時のためにも、森の中へはできるだけ2人以上で入る、というのも鉄則です。

森での交通事故に注意!シカやイノシシの危険

近年、里山など人の生活場所の近くにも出没するようになってきた、シカやイノシシ。

農作物や植えた苗を食べてしまう被害が後を絶たず、畑にも林地にも、シカよけやイノシシよけのネットや柵が張り巡らされている状況です。

そんな農林業被害をもたらしているシカやイノシシですが、クマのようには人を襲わないから大丈夫?と思いきや、気を付けたい危険のひとつが、交通事故です。

特に夜になると餌を求めて里に下りてきて、道路に飛び出してくることがあるのです。

時には、昼間でも我が物顔で道路を闊歩しているシカの群れに遭遇することもありますが・・・。

シカやイノシシと車が接触してしまった場合、ぶつかった車は破損し、またドライバーの身の安全や連鎖事故も心配です。

体が大きなオスのシカやイノシシとぶつかった場合には、動物の方は平気な顔をしているのに車の方が大破していた・・。
シカの角がボンネットに突き刺さっていた・・。
なんてエピソードも聞くことがあります。

それほど、想像以上に生命力が強い生物であるシカやイノシシ、あなどれません。

向こうが飛び出してくることは防ぎようもありませんが、それでもなるべく接触を避けるために、山道ではスピードを出し過ぎず、シートベルトをしっかり締めて、いつも以上に安全運転を心がけましょう。

人が歩いていないからといって、油断は禁物です。

また、交通事故でなくても、するどい牙や角で襲われる場合もあるので、森の中で出会っても、可愛いからといってむやみに近づかないほうが安全です。

まとめ:森に出かける時はしっかり対策をして!

自然である森の中では、すべてのことが私たち人間の思い通りにはいくわけではありません。

自然は美しく親しみやすい時もあれば、思った以上に危険で、時には牙をむくことも事実です。

森を安全に楽しむためにも、適切な対策をしてでかけることがマナーなのです。

この記事の編集者

モリップ編集部 MORiP!

モリップ編集部 MORiP!

MORiP!を運営する編集部のメンバーたちが、選りすぐりの情報をお届けします。あちこちに散らばる森や木についての基礎知識をわかりやすくまとめることを目指しています。編集部みんなで実際に行ってきた森旅もご紹介しています。

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