旅する森と、木の暮らし。

旅する森と、木の暮らし。│MORiP!

木の産地ってどこ?都道府県別に見てみよう

野菜や果物の産地、漁獲高の高い港など、農業や漁業の「産地」って何となくイメージがありますよね。

ところで、日本の主な「木の産地」ってどこなのでしょう?

今回は、都道府県別に森林面積や木材生産量、樹種等の切り口で、はたして木の産地とはどこなのかを探ってみます。

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温帯の日本は全国が「木」の産地

まずは、日本で木が生えているところはどこなのか見てみましょう。

世界的に見ると、陸上で森林におおわれているのは約3割で、その他は砂漠や草原、氷の大地になっています。

世界的には、森林とはとても貴重なものなのです。

いっぽう日本は、国土の約7割が森林におおわれています。

これは先進国の中ではフィンランドの約74%に次いで第2位となる約67%となっていて、森林に恵まれています。

日本はモンスーン気候で雨がよく降ることから、自然に木が生えきて森になる場所がほとんどです。

また、日本列島は南北に長く標高差も大きいので、亜寒帯から亜熱帯まで幅広い気候帯があります。

そのため多種多様な木が育ち、日本の中でも生えている木の種類には地域性があります。

日本人にとって木材は古くから住居や道具を作るのに欠かせない身近な材料であり、その土地に生える木の特性をいかしてさまざまな木の文化を育んできました。

日本全国がどこでも「木の産地」といってもおかしくないでしょう。

日本でも人口増加などではげ山が広がった時期もありましたが、現在は、戦後に国を挙げて拡大造林(植林)を行って来たため、日本の森の約4割もが、人が植えた人工林になっています。

そこで次からは、木材の生産を目的とするこの人工林に着目して深く見ていきましょう。

都道府県の森林率や人工林率を見てみよう

都道府県ごとにどのくらい森があるのか、またそのうち人工林はどのくらいの比率かを知ることが、木の産地を知る一つの手掛かりになります。

森林面積ランキングを見てみると、

1位 北海道 5,542,533ha
2位 岩手県 1,172,463ha
3位 長野県 1,069,673ha

となっています(平成24年林野庁統計情報を参照)。

これはほぼ都道府県の面積に比例しています。

次に、都道府県土における森林の占める割合=「森林率」を見てみましょう。

1位 高知県 84%
2位 岐阜県 81%
3位 長野県 79%

アルプスや四国山脈など険しい山岳地帯のある地域がランクインしていますね。

また、森の中で人工林が占める割合(人工林率)を見てみると、

1位 佐賀県 66%
2位 高知県 65%
3位 福岡県 64%

となっています。

これらは植林に力を入れてきた地域と言えそうですね。

人工林率は、とくに近畿地方や四国、九州で高くなっています。

森林の様子から、なんとなく木の産地が予想出来てきました。

しかし、木は山に生えているだけでは使うことができません。

次は、実際に伐採し生産されている丸太の量を見てみましょう。

■参考:林野庁統計情報http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/genkyou/h24/1.html

北海道、東北、九州が圧倒的!ボリュームで見る木の産地

各都道府県で、林業活動として実際にどのくらいの木材を生産しているのか、その体積(立米=立方メートル)を見てみましょう。

丸太を伐採して出荷した量は「素材生産量」とよばれ、都道府県ごとに統計が出されています。

都道府県別に素材生産量を見てみると、上位10位までは以下のようになっています。

1位 北海道 329万1千立米
2位 宮崎県 178万7千立米
3位 岩手県 152万4千立米
4位 秋田県 123万9千立米
5位 大分県 94万5千立米
6位 熊本県 91万3千立米
7位 青森県 83万4千立米
8位 福島県 74万立米
9位 鹿児島県 61万6千立米
10位 宮城県 53万7千立米
(平成27年木材需給報告書を参照)

全国の素材生産量合計は2004万9千立米です。

上位は北海道と九州、東北で独占状態であることがわかりました。

これらは自然が豊かで、林業が主な産業の一つとなっている地域であり、北海道は面積も広いので納得ですね。

ちなみに、この素材生産量には、植林した人工林から伐り出したものだけでなく、雑木林などの天然林から生産した広葉樹なども含まれています。

ところで、「トマトの産地は○○県」といったように、木にも種類があって、樹種ごとに産地も違います。

次からは、樹種別にくわしく見ていきましょう。

樹種によって木の産地は違う!スギ・ヒノキ編

冒頭で述べたように、日本は南北に長く地域によって気候条件が違うため、生えてくるや育ちやすい木の種類が違います。

拡大造林の時にも、その土地の気候に合った樹種を選んで植林されました。

そのため、木の産地を知るためには樹種の違いにも注意して見てみましょう。

まず、都道府県別樹種別の素材生産量で統計があるものとして、代表的な「すぎ」「ひのき」を取り上げてみます。

この2つの樹種は拡大造林で全国的に広く植林され、国産針葉樹の代表格となっています。

●「すぎ」の産地

スギの素材生産量ダントツ第1位は宮崎県で163万8千立米で、第2位の秋田県108万8千立米を大きく引き離しています。

その他、東北地方や九州地方が上位にランクインしています。

北海道から九州まで、広く生産されていることがわかります。

●「ひのき」の産地

いっぽうヒノキは西日本で多く生産され、第1位は岡山県21万9千立米、第2位は愛媛県20万4千立米、第3位高知県19万2千立米です。

ヒノキは雪に弱いため、天然ヒノキが自生するのは福島県あたりが南限と言われています。

そのため、北海道や東北、北陸地方にかけては生産量ゼロまたはデータがない状態となっています。

(平成27年木材需給報告書を参照)

樹種によって木の産地は違う!その他編

植林された針葉樹の中には、産地に大きな偏りがあるものもあります。

また、広葉樹の産地も各地にあります。

木の種類別に見ていきましょう。

●「からまつ」

長野県が原産地とされるカラマツは、北海道に多く植えられたため、素材生産量は北海道がダントツ1位の160万6千立米。

次いで第2位が岩手県30万3千立米、第3位が長野県18万4千立米となっています。

その他、東北から関東にかけてが上位を占めています。

●「えぞまつ・とどまつ」

北海道の主な林業樹種であるエゾマツとトドマツは、北海道以外ではほぼ生産されていません。

北海道での素材生産量は96万8千立米となっています。

●「あかまつ・くろまつ」

主な産地は、東北と長野県、中国地方です。

アカマツやクロマツは身近な里山や海岸に全国的に自生していますが、近年はマツ枯れや里山の荒廃などにより生産量は減少しています。

素材生産量第1位は岩手県23万立米、第2位長野県11万3千立米、第3位青森県10万2千立米となっています。

北海道と沖縄はデータがありません。

●「広葉樹」

雑木林などの天然林から主に生産される広葉樹は、北海道や東北地方、中国地方で多く生産されています。

広葉樹は製紙用チップや薪、しいたけ原木、家具用材などとして利用されます。

特に家具になるような高品質の広葉樹は、北海道や東北地方の原木市場に多く出荷されています。

生産量は第1位は北海道62万立米、第2位は岩手県31万1千立米、第3位は広島県13万4千立米、です。

(平成27年木材需給報告書を参照)

製品から見る木の産地

以上で、日本の中で木が育ち伐採されている産地がどこか、だいたいつかめたと思います。

ただし、伐採された丸太が、そのまま同じ都道府県内で加工されるとは限りません。

製材工場や木工所の立地によっては、ある県に特定の丸太が集められて加工されることもあります。

次に見ておきたいのは、木材が製材加工された「製品」の産地はどこかということです。
これも木の産地と言えるでしょう。

製品出荷量(集成材、建築用材、土木建設用材、木箱仕組板・こん包用材、家具建具用材を含む)という統計データがありますので、ランキングを見てみましょう。

第1位は北海道87万2千立米、第2位は宮崎県78万6千立米、第3位は大分県44万7千立米です。

その他、九州地方や東北地方が多くなっています。

おおむね、素材生産量の多さに比例しているようですね。

製材工場は近年、全国的に大規模化していて、大規模な工場が1つできることでその都道府県の製品出荷量が一挙に増えることもあるので、このランキングは日々変化しているといってよさそうです。

(平成27年木材需給報告書を参照)

まとめ:あなたが求める木の産地はどこに?

日本国内では、北海道や東北、九州などが主な木の産地ですが、樹種によっては特定の産地で生産されているものがあることもわかりました。

木の品質など統計や数字では見えない違いもあるので、木を使いたいと思ったら、まずあなたの求めている木の産地を知ること。

そしてできればモリップを兼ねて、実際に産地を訪れてみることをおすすめします。

この記事の編集者

モリップ編集部 MORiP!

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